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ダッチアクアリウムというスタイルを続けて30年弱。
その間、いろいろな変化を見て、変わりゆくその中で、様々なシーンや出来事を見てきた。
その中で、表現し兼ねる程の歴史の一端を披露していきたいと思う。(編集長)
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ダッチの全体のゴージャスな姿を見て楽しむのは一番かもしれない。けれど、これだけ複雑に形成した世界の中では、ミニドラマが多々起きている。
左写真は、お気に入りの場所を見つけた、レッドテトラ。(金魚ではありませんよ。)
大人になって約2センチサイズの最小なテトラで、大体は同じ場所で暮らす。仲間が回遊にでれば、わ〜ぃと一緒になって泳ぐが、気が付くと再び定位置に戻って来る。これは彼のお気に入りの場所なのだ。空間があるから、それぞれに好みの場所が存在する。
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これが水中?と思えるぐらいに、混み入って育っている水草たち。それは立体的で、水槽の中とは別と錯覚してしまう程だ。
想像してみて欲しい、その中を自分がミニチュアになって泳いでいくことを。それはとても神秘的だ。時折、水草から光合成によって生成された、酸素の気泡を目にし、泳ぎ去っていく魚たちや、水草の枝につかまり、コケなどを食べているエビたちにも出会うことができる。家の中に、また別な小さな世界が存在するのだ。
しかもそれらは、すべてが生きているので成長し、変化を続ける。 |
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水草の存在すら、金魚に入っているあのシーンを思い浮かべるだけかもしれないが、実は多種多様な種類と、色彩がある。実に400種を超える種類があるのだが、すべてが手に入る訳ではないし、定番とされているものもある。
緑に加わる赤や黄色のカラフルなものをどうやって組み合わせるか、それも楽しさのひとつ。
しかし、水草の成長にも簡単に育成できるものと、難しいものが存在する。意外と知られていないのが、運良く花が咲くこともあることだ。これはとても神秘的な世界だ。 |
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しかし、様々な色はあるが、緑ひとつをとってみても面白い。種によって、形も異なるし、色も同じ緑なのに少しずつ違うのだ。
写真の中央にあるのは、ラージリーフ・ハイグロフィラという種で、結構大型な水草。
葉脈も良く見えるし、上に行くに従って、小さな葉が出て来て、またそれが成長し、大きく伸びて行く。
水草の名前も、学名から来ているものが多く、その名前を覚えるのも楽しい。
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なにやら、スクリューバリスネリアの森に密集している、ヤマトヌマエビたち。実は熟成したメスを巡って集まって来たオスたち。
そう、結婚式なのだ。女性たちは独特なフェロモンを放出し、男性陣を魅了してしまう。この時期、水槽内は、とても騒がしいからすぐに分かる。他の者にとっては迷惑かもしれないが、とても活発な結婚式。左上の2匹が卵を抱える前のメスで、他はオスたち。こんなシーンを見るのも、水草の深い森があるから、余計にストーリーが掻き立てられる。 |
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水草の中には、同一種でありながら、全く別な色を発するものがある。右の写真は、同じルドウィジアが並ぶが、赤とグリーン。
実際には種類が異なるが、同じルドウィジアだ。こんな組み合わせ方も良いのかもしれない。
それを立体的にトリミングして、水中のガーデンを形成していくのがダッチアクアリウムの面白さ。
しかし、そのレイアウトは、成長によって崩れて行くが、再びトリミングを繰り返して、理想とするレイアウトにしていくのも醍醐味。
形としては、ライン上に手前から後ろへと傾斜を持たせるものや丸く、ぼんぼり上にすることもある。 |
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左写真は、ニューオランダプランツ。肥料や二酸化炭素が豊富な、水質でなければ、なかなか育たない種だ。しかし、この葉の形状と色は、とても繊細で美しい。ぐんぐんと伸びて行く成長も、見ていて生きている証を見るものだ。
葉の太いもの、細いものや面白い形状のものが多々ある。水中でどのような利点でこのような形状になったのか、想像をしてみても興味深い。同時に濾過器の水流によって、微妙に水草の葉がゆらぐ。こんな光景を見ていたら、どんどんとダッチアクアリウムの世界に引き込まれていく。そして、飽きもせず長年続けてしまう。 |
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さてさて、続きのお話は、こちらでいたしましょうか? |
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