映像作家 藤永 潤の世界
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目線を変えてみる
前回のコラムでも、目線を変える話をしましたが、またまた、虫の視点になって見ると面白いものが見えてきたりします。どうしても、普段は、自分の身長の目線から、ものを見がち。でも、どんどんと工夫をして、シャッターを切ったり、ビデオを撮り続けると、今までとは異なったシーンが見えてくるんです。よーく見ると、カモフラージュされた赤ちゃんバッタの姿であったり、また、ハナアブが空中で静止して、飛んでいる姿。いろんなものが、見えてきます。特別にじっと長い時間粘って撮影する必要はありません。今そこにある、その事実がドキュメンタリーとして、輝いていることが多いのです。ですが、ほとんどの場合気にもしないで、世界が流れていっているだけなんです。

ゼロ視点からも考えて見る
虫の視点と言いましたが、ゼロメートルから、見上げるということは、実は地面を掘らない限り、人間の体の構造上無理なんですよね。そこで登場するのが、コンパクトデジカメやスマホなどの撮影機器です。これー、とても面白いツールだと思います。セルフタイマーをかけて、あるいは動画のRECボタンを押して、木の根元から、空を見上げて見たりします。また、横に置いても面白い効果が期待できます。ある時撮影したのは、街中でもゼロメートル撮影。車道と歩道を区分けしている縁石が、虫たちにとっては、とてつもない高い城壁のように映っていたのですね。また、横断歩道の上には岩石がいっぱい転がっていました。それは、単なる小石なんですが、そこまで視点を落とすことで、新しい世界が見えてきます。

  よく見てみる
撮る前に見るという行為もとても大切な事柄なんです。実際にひとつのものをいろんな角度から眺めて見ます。そのときに、そのものだけではなく、背後関係をチェックしていきます。この背景はどうなって見えているのか、たとえ後ろがボケて撮ることになっても、そのボケの部分も意識して、撮影していくととても面白い結果になりますね。撮影って本当に面白いですし、別にどこか遠くに行かなくても大丈夫です。
 





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